インタビュー

アニメーターになりたい人必見!友人の現役アニメーターに聞いてみた現場のリアル

今回は、アニメーターを目指す皆さんに向けて、友人で現役のアニメーターにインタビューをしました。彼はアニメーションの世界で活躍しており、アニメーターとしてのキャリアや制作現場でのエピソードなどを教えてくれました。この記事では、彼の経験談をもとにアニメーターの実情を紹介します。この業界についての一端を垣間見ることができるかもしれませんが、もっといい環境もあると思うので、参考程度にしていただければ幸いです。それでは、現場のリアルな声をお届けします!

 

アニメーターになるには?

アニメーターになるための道のりは一つではありません。高校卒業後、新卒で入社するアニメーターも少ないですが存在します。彼らは通常、画力や一定の知識を持っていることが多いです。一般的には大学や専門学校で基礎知識を身につけてから就職しますアニメーターに必須の資格はないため、「スキルがある」という前提であれば、個人的に仕事を得ることも可能です。例えばX(旧Twitter)でアニメーターとしてプロフィールを公開していると、DM等で依頼がくることがあります。ほとんどは知らないアニメ会社からだったりしますが、やりたい!と思える案件に関しては受けてみてもいいかもしれませんね。

僕は専門学校に通い、ポートフォリオを持参して面接を受け、アニメーターになりました。ポートフォリオには、動画や原画、背景、デッサンなど、自分の画力を示すものを詰め込み、見やすくまとめることが重要です

たくみ
専門的な学校でアニメの勉強をしないとなれないと思っていましたが、未経験でもなれるんですね!
さとう
求人は毎年出ているので、落ちたとしてもめげずに応募し続けることが大事です。アニメーターになる上で、1番大事なのはどれだけ描くことに熱中していられるかです。とにかく描いて描いて描き続けましょう!

 

アニメーターって過酷って聞くけど実際はどうなの?

アニメーターの仕事は、制作期間が限られているため、短期間で多くの作業をこなす必要があります。そのため、徹夜や泊まり込みでの作業が発生することもあります。厳しい締切が設定されることが一般的であり、そのために常に制作スケジュールに追われることになります。締切を守るためには、多くの場合、過重労働を強いられることもあります。

さとう
僕は業務委託契約で出来高制だから、生活もかかっているし、毎日ギリギリの生活を何年も送ってきたよ。雇用形態はフリーランス半拘束完全拘束正社員など会社によって異なるね。入社当初は規則正しい労働時間を維持していたけど半年くらいでだんだん不規則になっていったよ。仕事は決して楽では無いし、新人の内や下請けの会社の仕事は報酬もかなり安いから、業界に入って最初のうちは、過労やプレッシャーに耐え続けることになるのが現状だね。

また、長時間のデスクワークや同じ姿勢を続けることによる身体的な負担も大きく、肩こりや腰痛などの健康問題を抱えることも少なくありません。意外に体力のいる仕事なのです。

 

気になるお金の話

動画マンの報酬は1枚ごとの単価制です。僕の場合、テレビシリーズで1枚200〜250円劇場作品で300~500円でした。一枚にかかる時間は、内容によってバラバラですが、一ヶ月でできた枚数は初月が89枚3年目で月525枚でした。平均的に30分~1時間くらいで描いていました。

さとう
上手い人は本当に上手いし、速い人はとことん速い。業界で知り合った中でも、軽く引くぐらい凄い人が沢山いる。ただ、描く速さは若いうちに身につけないと衰えていく一方だから「速く丁寧に」とよく言われたね。

原画マンに上がると単価も上がります。原画には大きくわけて2工程あります。
L.O(第一原画)と原画(第二原画)があって、それぞれに単価が発生します。基本的には1人の作業者が1カットを2工程ともやるので、単価計算はテレビシリーズなら2500円×2(カット)で5000円になります。

さとう
L.O作業後、原画作業までにいくつか工程を挟むので期間が開くんだ。元の作業者が手空きでない場合などに原画作業をしてくれる二原マンを宛てがう形になることもある。
【オマケ】実際の月収について聞いてみた!
さとう
初月は6万円2年目で約10万円3年目に約15万円で、5年目になってようやく20万前後でしたね。転職してさらに月収は増えたから、契約する会社によって金額が変わることもあるよ。
たくみ
少ない…!と思ったけど、伸び代はすごいね。出来高制だから、やった分の報酬が増えるのはモチベーションにもなるね。

 

趣味を仕事にして生きていく

厳しい現実を聞くと不安になるかもしれませんが、好きなことを仕事にするのは悪くないと言います。

さとう
趣味を仕事にすると嫌いになるから趣味のままでいいって意見もわかるよ。確かに、仕事中辛くてしんどく感じる時も多々ある。

でも集中していれば時間はあっという間に過ぎるし、自分の興味を惹かれるカットが来たらテンションが上がるし、やろうと思ったことが上手く成功した時の達成感は、自分にとって他業種ではとても得難いものだと思う。もちろん、趣味で続けていても充足感や達成感は得られるけど、趣味のまま満足せず「もっと経験を積み技術を磨きたい」と思うなら業界で学び高めることを僕は強く勧めたいと思います。

 

アニメーターを目指す人へ

「やりたい!なりたい!」という思いがあるなら、その熱意を大事にして欲しいです。
アニメーターの道は厳しいし、給料も低いけど、それでもアニメーターになりたい!それを生業にしたい!っていう人にアドバイスがあるとすれば、

ココがポイント

・とにかく描き続けること
・3年は生活基盤を維持できるように金銭面を工面すること
・就職先はよく調べること

さとう
『やりがい搾取上等、とにかく描かせろ』ぐらいの熱量がないと、多分3年続かずに目的を見失うから、ただ漠然と『アニメーターになりたい』って夢見てると痛い目見るので注意です。

このインタビューを通じて、アニメーターとしてのリアルな現実と、それに立ち向かうための心構えが見えてきました。この経験とアドバイスが、これからアニメーターを目指す人たちにとって貴重な指針になることを願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

-インタビュー

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